レジの釣銭はなぜ足りなくなる?繁忙期に現金が枯れる仕組み

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混み合う店舗のレジカウンターと釣銭トレイのイメージ

アルモットくんの!「5秒」で分かるコラムの要約

アルモットくん

レジの釣銭が足りなくなるのは、現金全体が減るからじゃなくて「特定の金種だけ」が偏って出ていくから!価格の末尾が何円かで、出ていく金種はほぼ決まるんだ。だから「レジに現金はあるのに10円玉だけない」が起きる。対策は総額じゃなくて金種ごとに必要量を読むことだよ!

週末のピークタイム。レジには十分な現金が入っているはずなのに、100円玉だけが切れる。慌ててバックヤードを探し、隣のレジから借りてくる。そんな経験のある方は多いはずです。

レジの釣銭が足りないという現象は、現金が全体として不足しているのではなく、特定の金種だけが偏って出ていくことで起きています。そしてこの偏りには、かなりはっきりした法則があります。

通貨処理機を作っているメーカーの立場から、釣銭が枯れる仕組みと、繁忙期に向けた備え方を整理します。

釣銭が足りなくなるのは「総額」の問題ではない

金種ごとに分かれたレジのキャッシュドロワーのイメージ

釣銭準備を「1日あたり何万円」という総額で管理している店舗は少なくありません。しかし現場で起きるトラブルは、ほぼ例外なく金種単位です。

レジに5万円の現金が入っていても、そのうち4万円が千円札で、100円玉が10枚しかなければ、100円玉を必要とする会計が10回続いた時点で詰まります。残りの4万9千円は、その場では何の役にも立ちません。

釣銭は「いくらあるか」ではなく「どの金種が何枚あるか」で管理するものです。当たり前のようですが、実際に金種別の必要量を計算している店舗は多くありません。

価格の末尾が、出ていく金種を決めている

どの金種が減るかは、店の価格設定でほぼ決まります。

たとえば税込価格の末尾が「80円」の商品が主力なら、1,000円札での支払いに対して920円を返すことになります。500円玉1枚、100円玉4枚、10円玉2枚。この組み合わせが1日中繰り返されれば、100円玉の減りが突出します。

末尾が「98円」なら、返すのは2円。1円玉が猛烈な勢いで出ていきます。末尾が「00円」で統一されていれば、10円玉と1円玉はほとんど動きません。

キャッシュレス比率が上がっても偏りは消えない

キャッシュレス決済が増えると現金の取扱量そのものは減ります。ただし、現金で支払う人の支払い方が変わるわけではないため、金種の偏り方は同じまま、規模だけが小さくなります。「現金が減ったから釣銭管理は楽になる」とは限らず、むしろ準備量の読みが難しくなる面もあります。

繁忙期に偏りが加速する3つの理由

普段はなんとか回っている店舗が、繁忙期に限って釣銭切れを起こすのには理由があります。

  • ① 客数が増えるぶん、偏りも比例して拡大する
    1日200人なら許容できた減り方が、600人になれば3倍の速さで進みます。補充のタイミングが追いつかなくなります。
  • ② 高額紙幣での支払いが増える
    年末年始やイベント時期は、ボーナスや帰省で1万円札を持ち歩く人が増えます。1万円札で少額の買い物をされると、釣銭として大量の紙幣と硬貨が一度に出ていきます。
  • ③ 金融機関の窓口が閉まる
    年末年始や大型連休は、両替に行ける日そのものが減ります。連休前に準備できなかった分は、連休中ずっと取り返せません。

③が特に厄介です。①と②は店内の工夫でしのげますが、③は外部要因なので、事前の逆算しか対処法がありません。

金種ごとに必要量を読む方法

レジの精算データを確認している店舗スタッフのイメージ

難しい計算は要りません。手順は3つです。

手順 やること ポイント
① 実測 通常営業日の朝と閉店後で、金種ごとの枚数を記録する 1日で判断せず、曜日の違う3日分を取る
② 差分を出す 金種ごとに「1日で何枚減ったか」を算出する 増えた金種があれば、それは店内で循環できる金種
③ 倍率をかける 繁忙期の想定客数を通常日と比べ、その倍率を減少枚数に掛ける 連休の日数分を掛け、窓口が閉まる期間もカバーする

この作業を一度やっておくと、「とりあえず多めに」という曖昧な準備から抜けられます。特に②で「増えている金種」が見つかると収穫が大きい。その金種は両替で仕入れる必要がなく、店内で回せる資源です。

釣銭切れが起きたときに失うもの

釣銭が切れたときの損失は、その場の混乱だけではありません。

まずレジが止まります。スタッフがバックヤードへ走り、あるいは隣のレジから融通する。その間、会計列は進みません。ピークタイムの数分は、そのまま機会損失です。

次に、現金管理の正確さが崩れます。「とりあえず隣のレジから借りた」という運用が発生すると、どのレジにいくら入っているかが分からなくなり、締め作業で差異が出やすくなります。原因を追うために閉店後の時間が消えていきます。

そして最後に、お客様の印象が残ります。会計で待たされた記憶は、商品の良し悪しとは別のところで店の評価になります。

仕分けと計数を、機械に渡す

金種別の管理が続かない理由は、はっきりしています。数えるのが大変だからです。

閉店後に混ざった硬貨を金種別に仕分け、それぞれ数え、記録する。この作業に毎日30分かかるなら、続けようという気にはなりません。結果として総額管理に戻り、また釣銭切れを起こす。この循環を断つには、仕分けと計数そのものを機械に渡してしまうのが確実です。

混ざった硬貨を、選別しながら数えて収納する

硬貨選別機 SU-201P-H 商品イメージ
硬貨選別機 SU-201P-H
混合した6金種の硬貨を、選別・計数・収納まで一度に処理します。処理速度は毎分約700枚。金種ごとの枚数と金額が表示されるため、この記事で紹介した「金種別の実測」がそのまま日常業務のなかで取れるようになります。硬貨判別センサーによるオートリジェクト機能で異物や不良硬貨を自動排出、収納部が満杯になれば自動停止。閉店後の仕分け作業を短縮し、釣銭準備の精度を上げます。
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まとめ

開店前に釣銭を準備している店舗スタッフのイメージ
ポイント 内容
本当の原因 現金の総額ではなく、特定の金種だけが偏って出ていくこと
偏りを決めるもの 税込価格の末尾。末尾80円なら100円玉、末尾98円なら1円玉が激減する
繁忙期の悪化要因 客数増/高額紙幣での支払い増/金融機関の窓口が閉まる
読み方 金種別に実測→1日の減少枚数を出す→繁忙期の倍率と日数を掛ける
切れたときの損失 レジ停止による機会損失、現金管理の精度低下、締め作業の長期化

釣銭準備は、勘で足りているうちは問題になりません。問題になるのは、客数が跳ね上がって、しかも銀行が開いていない日です。その日に備えるには、普段の減り方を数字で知っておくしかありません。

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