500円玉の歴史とは?新旧500円玉の違いや特徴を徹底解説!

500円玉が新しくなってからしばらく時間が経ちますが、そもそもなぜ500円玉は新しくなったのでしょうか?
また、これまでの500円玉にはどんな歴史があるのでしょうか?
普段あまり気にならないかもしれませんが、よく考えてみると様々な疑問が残りますよね。
そこで今回は、500円玉の歴史や新旧500円玉の違い、それから特徴について詳しく解説していきます。

新500円玉が登場したのはいつ?

現在の500円玉は3代目であり、2021年の11月1日に製造が開始され、2023年の4月から発行開始となりました。様々な偽造防止技術が施されているのが特徴であり、デザインも良く見ると少しだけ変わっています。2000年に2代目の500円玉が登場して以来、実に21年ぶりの新旧交代となります。
現在は流通量も増えており、少しずつ3代目の500円玉が一般化しつつあります。

なぜ新500円玉が登場したの?

新500円玉が登場した理由は、偽造防止のためです。
長年同じ硬貨や紙幣を発行し続けていると、偽造されるリスクが高くなり、そうなると全国で犯罪が起こりやすくなります。
最悪の場合、国全体の信用が落ちる可能性もあるため、このようなリスクを排除するべく、新500円玉が発行されたのです。

新旧500円玉の違い

新旧500円玉には、以下のような違いがあります。

  • ・表面・裏面・側面のデザイン
  • ・素材
  • ・重さ

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

表面・裏面のデザイン

新旧500円玉の表面デザインは、ほとんど変わっていません。表には桐、裏には竹と橘が描かれていて、見比べてもすぐには違いがわからないと思います。
ただ、JAPANという文字や500円という文字が新500円玉には刻まれています。また、2代目の表面下部に刻まれていた桐の絵が、新500円玉にはありません。さらに、2代目は側面に斜めギザが入っていましたが、3代目には異形斜めギザが入っています。

素材

新旧500円玉は、素材が異なります。
2代目は、ニッケル黄銅となっていて、銅72%・亜鉛20%・ニッケル8%が含まれています。
3代目は、白銅とニッケル黄銅が組み合わさっています。
ちなみに、初代500円玉は白銅であり、割合は銅75%・ニッケル25%です。

重さ

新旧500円玉は、重さが異なります。
ただ、2代目500円玉は7.0g、3代目500円玉は7.1gと、正確に測らないとわからない程度の違いとなっています。

500円玉の歴史

今では当たり前に使われている500円玉は、時代の移り変わりとともに変化してきた硬貨です。
以下、500円玉の歴史について詳しく見ていきましょう。

500円紙幣の誕生と廃止

500円玉が発行される前は、500円札が流通していました。発行は昭和26年(1951年)の4月2日です。
その後、1982年の7月1日をもって500円紙幣が廃止され、耐久性の向上と偽造防止に期待できる「硬貨」へと変化していきました。
500円札は今から約40年も前に廃止されているため、500円札の存在を知らない方も比較的多いです。

昭和の500円玉(白銅)

500円札が廃止された1982年に、初めて硬貨として「500円玉」が登場しました。現在と変わらず、桐の花が表面に描かれていて、裏面には竹と橘が描かれています。
2代目や3代目の500円玉には縁にギザギザ模様が入っていますが、初代500円玉には「NIPPON」の文字が刻まれていました。

平成の500円玉(黄銅)

2000年(平成12年)には、2代目として新たな500円玉が登場します。
500円玉の中で最も長い歴史を持つこちらの500円玉は、偽造防止技術の向上を目指し、銅とニッケルを減らし、その代わりに亜鉛を加えて電気抵抗値を変えています。
それまで「NIPPON」の文字が刻まれていた側面には、現代人にとってなじみ深いギザギザが刻まれ、偽造防止効果だけでなく、視覚障がいを持つ方にとってもわかりやすいデザインとなりました。

令和の500円玉(バイカラー)

令和の500円玉は2021年の11月に製造が開始され、2023年の4月から順次発行されています。最新の偽造防止技術を駆使した画期的なデザインが特徴であり、現在においては少しずつ社会に浸透しつつあります。
ただ、2代目の500円玉の歴史が長かったこともあり、一部の自動販売機や券売機ではいまだ未対応になっているケースも多いです。

500円玉の豆知識

では次に、意外と知らない500円玉の豆知識をいくつか紹介していきます。

新500円玉には高度な偽造防止技術が使われている

新500円玉には、以下のような偽造防止技術が使われています。

  • ・潜像
  • ・微細点
  • ・微細線

潜像とは、見る角度によって見え隠れする文字のことです。表面を上から見ると「500」という数字の「00」の部分に「JAPAN」という刻印が入っています。
一方、下から見ると「500YEN」という刻印が浮き出てきます。 意外と知らない方も多いと思いますので、ぜひお持ちの新500円玉で確かめてみてください。

微細点とは、転写による偽造を防ぐための技術です。貨幣に刻まれている模様の中央部に微細な穴加工が施されています。

微細線とは、500円玉の表面上部にある「日本国」「500」の周りにある扇状の細かな線のことです。この線は髪の毛よりも細く、金属彫刻における最先端技術を使用しています。

重さは法律で決まっている

500円玉の重さは全て同じですが、これは独自の基準で決めているのではなく「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法令施工令」の「別表第一貨幣の素材等」によって決められています。先ほども解説したように、新500円玉の重さは7.1gと定められており、この規定に当てはまらない500円玉は「偽物」ということになるのです。

ただし、500円玉の重さには許容誤差が設定されています。具体的には、7000gのうち、±13gが公差となります。

こう聞いて、
「なぜそこまで厳格な基準を定めるの?」
という疑問を抱く方もいると思いますが、これは偽造通貨の製造をより難しくするためです。

希少硬貨や記念硬貨も同じ重さ

多くは出回っていない希少硬貨や記念硬貨も、新500円玉との互換性を保つために同じ重さに設計されています。ただし、中には重さが異なる500円玉も存在しています。
それが、純金製の記念硬貨です。

現在の500円玉が白銅であるのに対し、純金製の記念硬貨は「金」で作られているため重さが変わってしまうのです。
純金など規定外の素材で作られている500円玉は流通用ではなく、コレクションアイテムとして扱われます。

細かな設計が施されている

新500円玉は、あらゆるシーンと利用者を想定し、細かな設計が施されています。
自動販売機やその他硬貨投入口との相性はもちろん、

  • ・持ちやすさ
  • ・存在感
  • ・寸法(直径26.5mm・厚さ2.0mm)
  • ・側面のギザギザ

などもしっかりと考慮されているのです。

500円玉は他の硬貨に比べてかなり大きいですが、これは視覚障がいがある方や子どもでも簡単に区別できるようにするといった意味が込められています。

金種によって現金の整理や施封時に使用する色が決まっている

日本銀行や金融機関では、現金の整理や施封作業を効率的かつ正確に行うために、金種ごとに使用する色が決められています。この色分けは、現金の種類を一目で識別できるようにするための工夫であり、作業の迅速化やミス防止に役立っています。

色分けは、金種ごとに以下のように決められています。

金種
500円(バイカラー) 青色
500円(黄銅) 茶色
500円(白銅) 桃色
100円 黄色
50円 赤色
10円 緑色
5円 紫色
1円 白無地

500円玉は新旧それぞれを区別して3色に色分けされています。

この色分けは、現金の種類を識別しやすくするために用いられ、施封や整理の際に活用されます。また、記念貨幣の場合は「白無地」が使用されています。

このシステムは現金輸送時や保管時にも重要な役割を果たします。例えば、輸送中の現金が万が一紛失した場合でも、金種ごとの色分けが手掛かりとなり、迅速な確認や追跡が可能です。さらに、記念硬貨など特殊な貨幣については白無地が使用されるため、通常の硬貨と区別しやすくなっています。
このように、金種ごとの色分けは単なる慣例ではなく、安全性や効率性を高める重要な仕組みとして機能しているのです。

まとめ

今回で3代目となる新500円玉は、従来の500円玉以上にあらゆる技術や工夫が施されています。デザイン自体に大きな違いはありませんが、よく見てみるとちょっとした変化に気付けるはずです。
その他、隠し文字や素材なども旧500円とは異なります。
500円玉の歴史や特徴について、普段あまり触れることはないと思いますが、じっくりリサーチしてみると様々なことが分かります。特に現在の500円玉は、高度な偽造防止技術が使われていて、角度を変えたり、光の具合を変えたりすることによって今までは気づかなかった文字や模様が浮かび上がってきますので、時間を見つけてぜひチェックしてみてください。


今回ご紹介した商品はこちら!

新着コラム