
アルモットくんの!「5秒」で分かるコラムの要約
1円玉の製造コストは公式非公表だけど、複数の試算では額面の1円を大きく上回ると言われているんだ。さらに今は銀行ATMに1円玉を入れると330円の手数料がかかることも。「1円を預けるのに330円」——現金管理のプロとして、この逆転現象は無視できない話だよ!
財布の中で、なんとなく存在感が薄い1円玉。コンビニのレジでもたもたしながら取り出し、気づけば小銭入れの底に溜まっていく——そんな経験のある方も多いでしょう。
でも、その1枚の1円玉。実は「作るのにかかるコストが額面を上回っている」という話を聞いたことはありませんか。眉唾に思えるかもしれませんが、これはまんざら都市伝説ではありません。現金を扱うプロとして、今日はこの小さな硬貨の裏側を丁寧にひもといてみましょう。
- 1円玉の「正体」を、まず整理する
- 「作るのに3円かかる」の真相
- なぜそれでも1円玉は作り続けるのか
- 令和の1円玉は「幻」になっていた
- 「1円を預けるのに、330円かかる」という現実
- 1円玉にまつわる、知って得する豆知識
- まとめ
1円玉の「正体」を、まず整理する
1円玉は、純アルミニウム100パーセントでできています。日本で流通する6種類の通常硬貨のうち、銅を一切含まない唯一の硬貨です。
大きさは直径20ミリ、重さはちょうど1グラム。「1円玉は1グラム」というのは理科の授業でも登場する有名な話で、実際に重さを量るときの基準として使われることもあります。厚さはわずか1.5ミリ。これだけ薄く精密に仕上げながら、重さの誤差は1000枚あたりプラスマイナス7グラム以内に収めなければならず、造幣局では毎年「製造貨幣大試験」が実施されています。
1円玉は、公募で決まった唯一の通常硬貨
あまり知られていませんが、1円玉は日本で発行中の通常硬貨のなかで、デザインが一般公募によって決まった唯一の硬貨です。昭和29年(1954年)に公募が行われ、2,581点の応募の中から表面の「若木」が選ばれました。モデルとなる樹種はあえて設定されておらず、「特定のモデルがないからこそ、どの木にも通じる」という思想が込められています。このデザインは昭和30年(1955年)の製造開始以来、70年近く一度も変わっていません。
「作るのに3円かかる」の真相
結論から言えば、1円玉の製造コストが額面の1円を上回っているというのは、おおむね事実として広く認識されています。ただし、造幣局は硬貨の製造原価を公式には公表していません。「国民の貨幣に対する信任の維持や、偽造を助長するおそれがある」というのが、その理由です。
では「約3円」という数字はどこから来るのでしょうか。1円玉の素材であるアルミニウムは重さ1グラム。金属市場の価格に基づく試算では、素材だけのコストは1枚あたり1円にも満たない水準です。しかし硬貨の製造には、地金の調達だけでなく、成形加工費、精密な刻印工程、品質検査、輸送コストなど、多くの工程が積み重なります。
これらをすべて含めた試算として、製造原価は額面を大きく上回ると複数の金融機関や研究者が推計しています。さらに近年はウクライナ情勢や円安を背景にアルミニウムを含む金属価格が高騰しており、現在の製造コストはそれを上回っている可能性が高いとみられています。
なぜそれでも1円玉は作り続けるのか
コストが額面を上回るなら、やめてしまえばいい——そう思う方もいるでしょう。しかし造幣局の公式見解は明確です。「原価に関係なく、1円は1円、10円は10円の価値ということで通貨の信用を維持している」というのが、国としての立場です。
通貨の信用とは、「この国の硬貨は必ず額面の価値を持つ」という社会的合意の上に成り立っています。コストの都合で特定の硬貨を廃止することは、その信頼の基盤を揺るがしかねない——という考え方が背景にあります。海外では小額硬貨を廃止してラウンディング(端数処理)方式に移行した国もありますが、日本では今のところその議論は結論に至っていません。
令和の1円玉は「幻」になっていた
実はここ数年、1円玉を取り巻く状況は大きく変わっています。消費税が10パーセントになった2019年以降、キャッシュレス化の急速な進展も重なり、流通用の1円玉の製造枚数は激減しました。ピーク時の平成元年(1989年)には年間約23億枚が製造されていましたが、令和に入ってからは市場に流通させるための1円玉はほぼ製造されておらず、貨幣愛好家向けに造幣局が販売する「貨幣セット」用のみの製造が続いています。
つまり、財布の中に令和の年号が刻まれた1円玉が入っていることは、ほぼあり得ない状態です。ふと手元の1円玉の製造年をのぞいてみれば、昭和や平成の刻印が出てくることでしょう。
「1円を預けるのに、330円かかる」という現実
製造コストが額面を超えているという話をしましたが、1円玉をめぐる「逆転現象」はそれだけではありません。近年、硬貨を銀行に預け入れる際の手数料が、多くの金融機関で有料化・値上がりしています。
主要金融機関の硬貨入金手数料(2025年時点)
| 金融機関 | 窓口(〜100枚) | 窓口(101〜500枚) | ATM |
|---|---|---|---|
| ゆうちょ銀行 | 無料 | 550円〜 | 1枚から330円 |
| 三菱UFJ銀行 | 無料 | 550円〜 | 対応なし |
| みずほ銀行 | 無料 | 550円〜 | 対応なし |
| 三井住友銀行 | 無料 | 550円〜 | 対応なし |
※手数料・条件は各行・時期により変更される場合があります。最新情報は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
たとえばゆうちょ銀行のATMでは、硬貨を入金する場合、1枚から330円の手数料がかかります。つまり、1円玉を1枚ATMに入れようとすると、330円を支払って1円を得る——差し引き329円の赤字という計算になります。
500枚の1円玉(合計500円)を窓口で預けようとすると、手数料550円を差し引いた結果、手元の現金は逆に減る計算です。店舗の日々の売り上げに大量の小銭が含まれる飲食業・小売業・自動販売機オーナーにとって、これは笑えない話です。
「1円玉を作るのに3円かかる」という製造コストの逆転は造幣局の話ですが、「1円を預けるのに数百円かかる」という現実は、今まさにビジネスの現場が直面している問題です。こうした手数料負担の増大を背景に、硬貨をまとめて整理するポリロール(棒金)の活用が、店舗運営の現場でより重要な意味を持つようになっています。
1円玉にまつわる、知って得する豆知識
- 水に浮かせることができる
金属であるアルミニウムは水より密度が約2.7倍高く、本来ならば沈みます。しかし、1円玉を水面に対して平らになるように静かに置くと、水の表面張力と浮力のはたらきによって水面に浮かびます。ここに台所用洗剤を1滴たらすと、界面活性剤が表面張力を弱め、1円玉はたちまち沈んでいきます。 - 磁石にくっつかない
純アルミニウムは非磁性体のため、磁石にはくっつきません。自動販売機や券売機が硬貨の種類を見分けるとき、重さや大きさだけでなく、この「磁気を帯びるかどうか」の特性も識別の手がかりになっています。 - 造幣局の「一人前」が最初に担当する硬貨
造幣局では「一人前と認められた職人が最初に種印製造を担当するのが1円玉」とされているそうです。最も小さく、最も薄い。しかしだからこそ、精密さへの要求は厳しく、仕上がりのごまかしがきかない——それが1円玉なのです。
まとめ:たった1円の中に宿る、日本の技術と思想
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 素材 | 純アルミニウム100%。6種の通常硬貨で銅を含まない唯一の存在 |
| 重さ | 1グラム(重さの基準としても使われる) |
| デザイン | 公募で決定した唯一の通常硬貨。1955年から変わらず |
| 製造コスト | 公式非公表だが、額面を上回ると広く試算されている |
| 令和以降 | 流通用の製造はほぼ停止。貨幣セット向けのみ |
| 銀行入金手数料 | ATMで1枚から330円(ゆうちょ)。「1円を預けるのに330円」の逆転現象 |
財布の底で存在感を失いつつある1円玉ですが、その小さな円盤の中には日本の通貨制度への信頼、70年変わらないデザインへの誇り、そして世界水準の製造技術が詰まっています。次に手元で見かけたとき、その年号をちらりと確認してみてはいかがでしょうか。
小銭の管理コストを下げる:ポリロールの活用
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ポリロールとは?硬貨を棒金にするメリットと、業務効率を最大化する純正品の選び方
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